2025年の住民基本台帳人口移動報告で転入超過となったのは47都道府県のうち7都府県のみでした。残る40道府県はすべて転出超過です。この記事では2025年の「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果」のデータをもとに転入超過ランキングを整理し、首都圏・関西圏・地方それぞれの移動実態と男女差の構造を整理します。
2025年・転入超過ランキング
全47都道府県・住民基本台帳人口移動報告
| 順位 | 都道府県 | 転入者数(人) | 転出者数(人) | 転入超過数(人) | 男性(人) | 女性(人) |
|---|
2025年の転入超過上位は東京都(65,219人)、神奈川県(28,052人)、埼玉県(22,427人)、大阪府(15,667人)、千葉県(7,836人)、福岡県(5,136人)、滋賀県(353人)の7都府県です。
上位5位のうち4位の大阪府を除く4県がすべて首都圏でした。7位の滋賀県は353人とほぼ均衡状態で、8位の沖縄県からはすでにマイナスです。転入超過と転出超過の境界がいかに急峻かがわかります。
転入超過7都府県の合計は144,690人でした。転出超過40道府県の合計もほぼ同規模のマイナスです。人口が実際に増えている地域はごく一部に限られており、一部の地域に集中して流入し残りから流出するという構造が2025年も続いています。
首都圏・関西圏・地方の比較
住民基本台帳人口移動報告
| 地域・都道府県 | 転入者数(人) | 転出者数(人) | 転入超過数(人) |
|---|---|---|---|
| 首都圏 | |||
| 東京圏(計) | 515,892 | 392,358 | +123,534 |
| 東京都 | 451,843 | 386,624 | +65,219 |
| 神奈川県 | 235,438 | 207,386 | +28,052 |
| 埼玉県 | 188,323 | 165,896 | +22,427 |
| 千葉県 | 165,248 | 157,412 | +7,836 |
| 関西圏 | |||
| 大阪圏(計) | 228,360 | 219,618 | +8,742 |
| 大阪府 | 184,232 | 168,565 | +15,667 |
| 京都府 | 58,430 | 62,183 | -3,753 |
| 兵庫県 | 94,929 | 97,031 | -2,102 |
| 名古屋圏 | |||
| 名古屋圏(計) | 133,292 | 145,987 | -12,695 |
| 愛知県 | 124,856 | 127,037 | -2,181 |
| 地方 | |||
| 福岡県 | 102,453 | 97,317 | +5,136 |
| 宮城県 | 42,841 | 44,887 | -2,046 |
| 北海道 | 53,656 | 58,818 | -5,162 |
| 広島県 | 43,316 | 53,237 | -9,921 |
首都圏(東京圏)の転入超過は123,534人でした。東京都65,219人に加え、神奈川県28,052人・埼玉県22,427人・千葉県7,836人もそろってプラスで、4県合計の転入者数は1,040,852人に達します。首都圏への人口集中が数値としてもはっきり確認できます。
注目したいのは転入の多さだけではありません。東京都は転入451,843人・転出386,624人と転出も極めて大きい規模で動いています。それでも純増を続けている点に首都圏の吸引力の強さが表れています。
関西圏(大阪圏)の転入超過は8,742人でした。大阪府が15,667人のプラスである一方、京都府は-3,753人、兵庫県は-2,102人です。首都圏が4県そろって転入超過なのに対し、関西圏は大阪府のみが明確なプラスという非対称な構造になっています。名古屋圏は-12,695人で3大都市圏の中で唯一のマイナスでした。
地方圏では福岡県が5,136人のプラスで際立っています。北海道-5,162人、宮城県-2,046人、広島県-9,921人と、地方の中枢都市を抱える県でも人口流出が続いています。地方圏では福岡県が明確な転入超過となっており、他の地域との差が際立っています。
転出超過ワースト10
住民基本台帳人口移動報告
| 順位 | 都道府県 | 転入者数(人) | 転出者数(人) | 転入超過数(人) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 広島県 | 43,316 | 53,237 | -9,921 |
| 2 | 福島県 | 22,788 | 29,985 | -7,197 |
| 3 | 静岡県 | 55,876 | 62,587 | -6,711 |
| 4 | 新潟県 | 22,120 | 28,499 | -6,379 |
| 5 | 三重県 | 29,448 | 35,434 | -5,986 |
| 6 | 茨城県 | 55,683 | 61,643 | -5,960 |
| 7 | 愛媛県 | 16,400 | 22,094 | -5,694 |
| 8 | 長崎県 | 20,980 | 26,588 | -5,608 |
| 9 | 岡山県 | 27,712 | 33,306 | -5,594 |
| 10 | 北海道 | 53,656 | 58,818 | -5,162 |
転出超過が最も大きかったのは広島県の-9,921人でした。2位の福島県-7,197人、3位の静岡県-6,711人が続きます。東北・中国・四国・九州の県が多く並ぶ一方で、静岡県・茨城県・三重県のような大都市圏に比較的近い県も上位に入っています。
静岡県や茨城県の転出超過は地理的に首都圏・名古屋圏に近いことが背景にあるとみられます。「地方から首都圏へ」という一方向の移動だけでなく、地域内でもより強い都市へ人口が集まる構造が見られます。
広島県の-9,921人は突出した数字です。転入43,316人に対して転出53,237人で約1万人の純減となっています。広島市自体も-2,342人の転出超過で中国地方の中心都市においても人口の流出が続いている状況です。
女性の方が都市に集まり、地方から出ていく
住民基本台帳人口移動報告
| 都道府県 | 総数(人) | 男性(人) | 女性(人) | 女性-男性(人) |
|---|---|---|---|---|
| 女性の転入超過が男性を大きく上回る県 | ||||
| 東京都 | +65,219 | +27,339 | +37,880 | +10,541 |
| 千葉県 | +7,836 | +1,596 | +6,240 | +4,644 |
| 大阪府 | +15,667 | +5,253 | +10,414 | +5,161 |
| 福岡県 | +5,136 | +1,895 | +3,241 | +1,346 |
| 男女ともほぼ均等に転入超過 | ||||
| 神奈川県 | +28,052 | +14,384 | +13,668 | -716 |
| 埼玉県 | +22,427 | +11,351 | +11,076 | -275 |
| 女性の転出超過が男性を大きく上回る県 | ||||
| 北海道 | -5,162 | -1,077 | -4,085 | -3,008 |
| 鹿児島県 | -5,003 | -1,552 | -3,451 | -1,899 |
2025年の人口移動データで注目したいのが男女差です。転入超過の7都府県のうち、東京都・千葉県・大阪府・福岡県では女性の転入超過が男性を大きく上回っています。東京都は男性+27,339人に対して女性+37,880人で、差は10,541人でした。千葉県は男性+1,596人・女性+6,240人と、転入超過のほぼ8割を女性が占めています。
一方、転出超過の40道府県を見ると34県で女性の転出超過が男性を上回っていました。北海道は男性-1,077人・女性-4,085人、鹿児島県は男性-1,552人・女性-3,451人です。地方では男性より女性の方が多く流出している傾向があります。
神奈川県・埼玉県では男女ともにほぼ均等に転入超過となっています。東京都・千葉県・大阪府・福岡県での女性超過とは対照的です。都市によって男女の流入パターンが異なることがこのデータから読み取れます。人口が増えている地域では住宅需要も高まる傾向があります。特に首都圏や福岡県ではその傾向が顕著です。
福岡市の人口推移についてはこちらの記事もあわせてご覧ください。
まとめ
2025年の人口移動は、転入超過が7都府県のみという集中した構造でした。首都圏・大阪府・福岡県・滋賀県に人が集まり、残る40道府県から流出する構図です。転入超過の多くを女性が占め、転出超過の地域でも女性の流出が男性を上回る傾向が広く見られました。
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