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東京23区の人口はなぜ増え続けるのか|都心回帰でひも解く人口変動の構造

東京タワーと高層ビル街
国勢調査 東京特別区人口・増減率
※グラフは現在の市域による遡及値
国勢調査 東京特別区人口推移データ
人口(人) 増減率
※現在の市域による遡及値
人口ピラミッド
年齢5歳階級別男女別人口(2020年国勢調査)

東京23区の人口が気になったことはありませんか。東京23区の人口は、全国の都市とは異なる特徴的な変化をたどっています。1947年に「特別区」として誕生したこの地域は戦災による激減から復興・拡大、そして一度の長期減少を経て、2020年には過去最多の973万人を記録しました。この記事では国勢調査データをもとに東京特別区100年の人口変遷を読み解きます。

目次

東京特別区の人口推移|3つの転換点

大都市比較統計年表(横浜市)令和5年版によると、東京特別区(現在の市域による遡及値)の人口は1920年時点で335万8,186人でした。その後1947年まで一貫して拡大を続けましたが1940年の677万8,804人を頂点に、1947年には417万7,548人へと急落しています。

この急落は太平洋戦争末期の空襲による被害と疎開による人口流出が重なったためとみられます。なお1947年は通常の国勢調査ではなくGHQ統治下で実施された臨時の調査です。※戦後の混乱期のため通常の国勢調査とは異なる方法で実施

戦後に「特別区」は誕生した

「特別区」という名称は1947年に施行された地方自治法により定められたものです(出典:公益財団法人特別区協議会)。政令指定都市の「区」は自治体ではなく行政区画にすぎませんが、特別区は区長・区議会を持つ基礎的な自治体です。現在の23区体制は同年8月に確立されました。

皮肉なことに特別区が誕生した1947年の人口は417万人と直前のピークから▲38.4%という激減の時期でした。そこから東京特別区の再建が始まります。

高度成長期の膨張と「ドーナツ化」

1950年以降、人口は急速に回復します。1955年に696万9,104人、1960年に831万27人、1965年には889万3,094人に達し、これが戦後における最初のピークとなりました。

しかし1965年をさかいに人口は減少に転じます。1970年に884万人、1975年に864万人、1995年には796万7,614人まで低下しました。高度経済成長期以降、地価の高騰と居住環境の悪化により郊外へと人口が流出する「ドーナツ化現象」が進んだためと考えられています。

2000年代からの都心回帰と過去最多更新

1995年を底として東京特別区の人口は再び増加へと転じます。2000年に813万4,688人、2010年に894万5,695人、2020年には973万3,276人となり、100年の統計期間を通じて過去最多を記録しました。

増減率は2005〜2020年にかけて4〜5%台で推移しており一貫した増加傾向が続いています。バブル崩壊後の地価下落や都心の大規模再開発により職住近接を求める層が戻ってきたためとみられます。

ピラミッドが示す「若壮年層に厚い」構造

2020年の人口ピラミッドを見ると45〜49歳階級が80万7,165人で最多となっておりいわゆる団塊ジュニア世代の厚みが目立ちます。20〜34歳の若壮年層も各階級26〜34万人台と厚く全国的な少子高齢化の傾向と比べると東京特別区は若年・壮年人口の集積が顕著です。一方、0〜4歳は36万7,530人にとどまり出生数の少なさも読み取れます。

副首都構想と東京一極集中

東京への人口集中はいま政治の場でも大きな論点になっています。中でも副首都構想は東京への過度な集中を見直す議論として進められています。大規模災害で首都が機能を失った場合のリスクを分散すること、そして長年続く東京への過度な集積を解消することがこの構想が目指す方向性とされています。

候補地としては大阪が最も注目されていますが、福岡や名古屋などでも関連する議論が見られます。東京側からみれば、人口・機能の分散を迫られる構図です。973万人が暮らす東京特別区の人口動向が今後この議論とどう絡んでいくか注目されます。

まとめ

東京特別区の人口は戦災による激減・高度成長期の膨張・ドーナツ化による長期減少・そして都心回帰という大きな波を経て、2020年に973万人と過去最多を更新しています。副首都構想など首都機能のあり方をめぐる議論も続くなか、東京特別区の人口がこれからどう推移するか引き続き注目していきます。ぜひほかの政令指定都市の記事もあわせてご覧ください。

東京23区 人口マップ
区別人口(2020年国勢調査)・ホバーで人口表示
出典:人口:東京都の統計 国勢調査 基本集計結果 令和2年国勢調査 人口等基本集計結果概要/地図:「国土数値情報(行政区域データ)」(国土交通省)を加工して作成

出典:大都市比較統計年表(横浜市)令和5年版※現在の市域による遡及値
特別区の制度・沿革:公益財団法人特別区協議会「特別区とは」

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この記事を書いた人

日本の人口統計・地域データを独自にリサーチしています。国勢調査データをもとに、全国の市区町村の人口推移をわかりやすく伝えることを目指しています。

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